F先生指摘事項
1.融解層内の最適Bβの設定について
融解粒子のBβを求めることは無理。
融解層内で、FLUXの増減(層内での降水形成や消滅)があると考えられない。
したがって、上空の雪粒子に対して雪のBβで降水強度を求めて、値は一定とするのが良い。
追記:現象を精査すれば、融解層内で質量の増減はあるかもしれない(そのような現象があるかもしれない)。しかし、事象によって生成される水の量(大気水象;Hydrometeors)は、おそらく、異なるだろう。算定式を求める、ということは一般化するということなので、現状で一般化は無理。
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2.複数仰角を用いた融解層判定について
複数仰角の合成には計算時間がかかる。研究的にオフラインで実施するのであればよい。
融解層を判断できる格子サイズは10m四方程度。メッシュをずらして1㎞格子で算出するのは、現業としては意味があるかもしれないが、研究としては地点による差がなければ不要。
0℃高度下端(ブライトバンド下端)がわかるのは、冷気が山岳部からどのようにやってくるか判断することができるので意味がある。
LFMは1時間ごとあるが空間分解能は荒い。鉛直分解能1㎞程度だろう。むしろ地上観測所を元に減率を仮定して上空の0℃高度を求める方が良い。
特に必要なのは雨が降った時のBBの変化。
山岳部から冷気が平地に降りてくる様子など、凍雨、着氷の観点で重要。←動画、時間変化を示すことは価値がある。
レーダは風や雨を見るものであるが温度がわかるという観点は新規性がある。
3.雪のZRについて
地上付近のRと上空のZがあるのだから、XMPを用いて雪のZR関係を作成することは可能。
FLUX(降水強度)は一定と考えるが、融解層内の減衰量が不明。
MRRを基に雪のBβを計算することが可能。アンテナへの積雪によって減衰するので、降り始めの時間のZを使うことが必要。
雪のBβを求める時は、上空から地上まで一様であることが必要。あるいは、雪の降り方に、断続的な強弱があるが、レーダで見ている強い部分と地上の降水強度を一致させることが必要。
これを基に減衰量を求める式が作成可能。減衰量はRの関数で距離あたりの減衰量とする。e.g. ATT(R)[dB/km]。
⇒北広島・石狩局の運用開始年度について調査すること
4.格子点で判断する理由について
数㎞範囲でブライトバンドの存在高度を検出する。山間部や平地部でレーダ観測においてブライトバンドがどこで発生しているかを判断し、どこの領域を補正するべきかを検出することが目的。
水平分布をみるという観点は重要。筑波と関東では大きく異なる。
5.作業
・ゾンデ時間を8:30~9:00として、その間の平均プロファイルを作成する。短時間で0℃高度が変化する事例は一致しにくいため、平均時間を。
・高度分解能が10mである単一仰角のプロファイルを作成する。
・ブライトバンドが観測に影響する時期を調査する。0℃高度が1000m以下となる時期を調査する。山岳地域に注目。1,2,4,8㎞サイズで出現範囲を検討してみる。⇒補正時期の検討。補正案:BB上端で雪のBβで求めた降水強度を地上の降水強度とする。
・KodenとXMPのバイアス調査。
・ZDRについては、dBZの閾値を値をプロットしてみてから決める。←優先。
・0℃高度を決めるのは要素(dbZか、ρHVか、ZDRか)を判断する。